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大学院生のメモ置き場。ふぇみ的な書き散らしなど。

婦人科の「性経験の有無」って問診なんなん?~初めての婦人科体験記~

 

えーーっと、タイトル通りの話をします。

 

先日、初めて婦人科に行きました。初潮からずーーーーーーっと生理不順だしめちゃお腹痛いのですが母親の「若いのにあんまり婦人科に行くとよからぬことだと思われる」というバチバチの偏見に阻止されて全然行けなかった。今回は、過去最長ロングスパンで生理が来なくて、友達に「一回婦人科行けば?」と言われたので「いいチャンス!」と思って(年齢も上がったし)レッツゴーすることにした。母親もしぶしぶ了承してくれたので、一人で歩いて地元の婦人科へ行った。いざ、初めての婦人科。

 

 

 

 

 

 

問診票記入

 

初潮の年齢とか妊娠経験の有無とかをサクサク記入していくと「性経験(SEX)の有無」という欄があり「Yes・No」解答だった。

そこで困った。

私は女としかセックスをしたことがない。

そして、この問いは一体何を聞きたいのだろうか.....と。

(そう!!!!私は「母親の偏見に打ち勝って婦人科に行く!!!」ということが目的化していて半ばノリノリのイケイケゴーゴーで病院に来たため事前に「婦人科 何される」「婦人科 恥ずかしい」などで検索していなかったのだ!!!!)(重大なミス!!!)
(友人は「生理来なくて病院行ったら薬貰って生理を起こした」とだけ言っていたので、私はお医者さんに生理が来ないです!って言ったらアレコレ聞かれてそのまま問診であっさり薬がもらえるもんだと勘違いしてたのだ!!!)

 

セックス=ペニスをヴァギナに入れたことがある、だとしたらNO

子宮頸がんはペニスにいる菌?が原因だから異性間の性交経験者しかならないらしい...ということを耳にしていたので、子宮頸がん系のことを聞きたいならNOということになる。

妊娠可能性という意味でもNO。

 

 

セックス=膣に何かを突っ込んだことがある、だとしたら私の場合はYES

「何か」のサイズにもよるので正直Yes・Noの問いだと答え辛いな......と思いつつ、まぁ....まぁ....どちらかといえばYESだな、、、などと思いを巡らす。

 

セックス=粘膜間の接触可能性がある、ならYes

性感染症には同性異性問わずなるのでその意味ならYESになる....。

 

 

んんんんんんんーーーと頭を悩ませた結果、相対的にはYESが多そうだったのでYESの方に〇をつけることにした。備考などに書こうとも思えなかった。(逆に赤の他人だし、正確な医療のためには記入した方が...とも思ったが偏見を持たれて「エイズですか?」みたいな超古典差別に合うのも嫌だなーと思ったのが大きい)

 

 

まぁあと「なかったこと」にしたくなかったという部分もある。

とにかくNOには〇をつけなかった。

 

 

 

 

診察、例の椅子、超音波

 

ほいほいと自分の番が来て、優しくいろいろ聞いてくれる女性のお医者さんに生理不順についてお話をした。そんでじゃあ診察しますね~~と言われて、例の産婦人科あるあるの開脚椅子が登場。下着を脱ぐように指示されて「アッ、、そうだよねお話しただけで薬くれないよね」と重大なことに気づく私。(遅い)

症状や生理のメカニズムについての説明はされていたが、どんな診察をされるのかは聞かされていなかった。膣チェック的なことかな~と思って座る。

 

ぐいーーんと動いて行ってあられもないポーズになる。

「近代医療における女性の客体化じゃーーーーーん!!!」(興奮)

 

「進研ゼミでやったやつだ!」と盛り上がってしまう私。お産とは違うけど、めちゃくちゃモノ的な感じでお医者さんが診察しやすいようにぐいっと横たわって、私のヴァギナという一部分だけを見てる...見てるぞ.....と。

『お産椅子への旅』という本で座るタイプだったお産椅子がだんだん横たわり体制になっていくというモノの変化を取り扱いつつ、近代の医療が成立すると同時に女性の身体の使い方が自ら産むから「産まされる」ような体制へと変化していくのを追う本なのでぜひみなさんも....。

 

お産椅子への旅―ものと身体の歴史人類学

お産椅子への旅―ものと身体の歴史人類学

 

 

 

そして

「じゃあ超音波で子宮と卵巣見ていきますね~」と言われた瞬間には膣に何かが差し込まれる....(あああああこれでセックス聞かれてたんか~~)(納得)(遅い)

 

フツーにやや痛かったので「あっ...いた...」と言ったら、今度はぐいっと肛門の方に違和感を感じて特になんの事前通告もなしに気が付けば肛門側から超音波当てられてた。(特に何も言われなさすぎてややびっくりしたが頭の中は「案外すんなり入るもんやな...」という妙な感慨でいっぱいだった)

(帰宅後ググってみると性交経験がないと肛門というパターンもあるらしい。いずれにせよ、痛がったのでなんとなくそうなったのだと思う)

 

いや、説明してくれや。

 

いくら私がノリノリで婦人科に行き、事前の検索が甘かったからと言って、なんとなく膣に突っ込まれてました....ってなんやねんそれ、と。

 

たとえば妊娠経験の文脈では、中絶について文献を漁っていると、超音波による胎児の可視化が胎児の人間化につながるというので超音波検査ってめちゃくちゃインフォームドコンセント必要というのは読んでいたし、超音波検査って日本ではメジャーだから妊娠したら当然やるものだって認識かもしれないけど、それだけで出生前検査なのでやっぱりそこでもインフォームドコンセント必要、、、なのに気が付いたらとんとん拍子で超音波検査してました~、みたいな本を読んでたんですよ。

(文脈は違うけど)自分も気が付いたら超音波検査してた~テヘペロ

 

 

 

 

 どさくさで本を紹介するスタイル

 

 

 

そして深まる疑問

 

 

あのサイズの器具なら別に性交経験なくてもタンポン的な感じで入るんじゃ....?

いやむしろ性交経験があっても突然器具入れられたら痛いのでは?

 

一回セックスしたからって膣がガバガバになるわけじゃないし、かといって性交経験がなくても「処女膜」はお前の心の中にしかない(ひだみたいなのがぐるっとついてるだけ)だから入るもんは入るし.......えっ、あの問いはなんだったの???

 

 

っていうか、経腟性交の経験あってもアレ入れるの嫌な人は嫌じゃん???

なくても(オナニーしてる等々含めて)OKな人はおっけーじゃん????

あとセックスの定義をはっきりさせてくれ頼む....。

 

「膣に器具を入れて診察してもよい・わるい・場合による」

 

とかいう問いじゃダメなんだろうか.......。

そしたら「あーこういうことされんのね」ってのもわかるし、自分が痛いタイプかとか(いや医者の腕もあるのかもだけど)判断できるんじゃ....。

 

性感染症については別途質問して。

 

 

 

 

 

後日談

 

いろいろあって母親に「下からの」超音波検査を受けたことがバレた。母親は私が未経験だと思っていたので、顔を真っ赤にして怒り出した。「なんてことをお前はやったんだ」と私に対して怒っていたし、病院に対しても殴り込みそうな勢いだったので、私はしぶしぶ性経験がある方に〇をした旨を話さざるを得なくなった。

母親はタンポンを買うことさえ拒否するくらい処女膜信仰がある人で、たぶんそれに怒ってたんだと思う。その場では(もともとカミングアウトしていないので)異性愛の彼氏がいたことのある娘としてまた新たな嘘を増やすはめになった。

性交の有無が器具の挿入の有無に直結するなら、医療の側も「処女」的なものに幻想を抱いてないか....と混乱する母を横目に思ったりもした。まぁたぶん一般的に言って性行為の経験がある程度痛みとかと比例するってことはあるんだろうけど(その辺ほんとはどうなんだろう???専門家ではないので疑問は募るばかり)

あるいは世の中が「処女」に価値を見出しまくってるのでそこに配慮した問診なのかもしれない....真相は謎。(誰かわかる人教えてね)

 

 

あんまり説明はなかったけど、いい匂いのするアロマ?が焚いてあって、薄ピンク調のフェミニンな、Francfrancの雑貨とかローラーシュレーのラグとかが敷いてあるオシャレなクリニックだった。待合室の動線も工夫してあって、患者同士の目が合いにくいように設計されていたし、名前も呼ばないで「〇〇番さま~!」と呼ばれる配慮のしようだった。こりゃあトランス男性は入りにくいな、と納得しつつ、私のようなフェミニンなものに抵抗のないシス女には大変利用しやすい空間だったのでその点には個人的にめちゃ満足してる。

 

 

 

ざっとググってみると「婦人科 処女」みたいなのは結構ヒットするけど「婦人科 女としかセックスしたことない」みたいなのはあんまりなさそうなので赤裸々に書いてみましたとさ。