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大学院生のメモ置き場。ふぇみ的な書き散らしなど。

時代を感じる『新しい女性の創造』

 

アメリカにおける第二波フェミニズムの火付け役になったとして有名なベティ・フリーダンの『新しい女性の創造』原題:The feminine mystiqueを読みました!

 

 

新しい女性の創造

新しい女性の創造

  • 作者: 
  • 出版社/メーカー: 大和書房
  • 発売日: 2004/04/01
  • メディア: 単行本
 

 

The feminine mystiqueって直訳すると「女性らしさの神話」とかなのにどうして「新しい女性の創造」って訳なんだろう....?とずっと思ってたんですが、読んでみると、古い女性がむしろ第一波フェミニスト、戦争中に職場に出ていった女性たちを指し、新しい女性が戦後に専業主婦は女性の美徳として作り出された、そうした作り出された女性らしさを暴いたという点で「女性らしさの神話」はすなわち「新しい女性の創造」なんだと納得。

 

時代を感じたのは、「専業主婦つらいっす....この辛さはなんなんだ??」というのがこの本を貫くテーマなんだけど、今の時代だと全然ピンとこないというか...。アメリカのある歴史的な一時期の消費を支える存在として「専業主婦」が作られ、その「理想」の中で生きていた女性たちにドンピシャ大ヒット!と言う感じが伝わってきて「おう...時代やんな......」となりました。

 

時代、という点でいうと「『女』つらい!」みたいな話で注釈もなしに中産階級の白人シス女性のみを想定した主語で話すことって今ならアウト―!って感じじゃないですか。そこの注釈なく進んでいく感じにむしろ「これがフェミニズムが歩んできた歴史か...」と、こういう歴史があったからこそ私たちは「女性」の中にある差異に敏感にならねばならないと学んできた歴史があったのだと。

 

 

増補版の方を読んだので、最後の章が実際にNOWの活動を始めてみてどうだったか?みたいなくだりが出てくるんですが、その中で「私は男嫌いではないんです」みたいな話をしていて、あっ...そういうのあるよね~~って、そこはなりました。

 

 

本とは逸れるんですが、最近Netflixにややハマりまして、そこで「フェミニストからのメッセージ」(邦題)を見たんだけど、それがまさにアメリカの第二波フェミニズムを担った人々のインタビューから構成されているドキュメンタリーでこれもまた時代の空気を感じるのにいい映画でした。

予告編↓

https://youtu.be/kP94WOMVoRo

 

ベティ・フリーダンは出てこなかったけど、ケイト・ミレットは出てきていていろいろしゃべっていて「うわ~~有名人だ~~こんな方だったんだ~~」といろいろ読んだ人はなるし、アメリカの第二波フェミニズムの空気感を感じるだけでも!!ぜひ!

 

フェミニズム・アートで有名な『Dinner Party』も出てきて(ジュディ・シカゴが主要なインタビュイーとなっている)、いぇーい!と思っていたら当時の政治家から「わいせつ」だと糾弾されている映像も出てきたり....勉強になるぅ~~

 

つーかヴァギナも私の身体だっつーの!

何がわいせつなんじゃああああ!

 

Dinner Partyはこれ。

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ヴァギナをかたどっている

www.brooklynmuseum.org

 

 

 

ということで、『新しい女性の創造』と『フェミニストからのメッセージ』で、アメリカの第二波フェミニズムという時代を感じた週末でした.....!